
チュソク(秋夕)は旧暦の8月15日のことです。
今年のチュソクは、2009年10月3日(韓国の旧盆)にあたります。
秋夕は日本のお盆とよく比較されます。秋夕はお盆と同じように墓参りや先祖に対する祭祀を行い、家族や親戚などが集まったりしますね。しかし、その起源はまったく違うんです。お盆は起源がインドからで先祖供養であり仏教から来たものであります。盆に先祖供養をすることで、あの世で少しでも苦労しないようにという、先祖を思う心がお盆本来の基本精神だということです。
親戚一同が集まって先祖の墓参りをしたり、秋の収穫に感謝する習わしで、旧正月(ソルラル)と並び韓国では大きな行事です。カレンダー上では秋夕当日を含め、前後あわせて3日間が連休となり、人々は故郷に帰省し、このため帰省ラッシュが起こります。故郷では先祖供養や親戚訪問、お墓参りなど、大忙しとなります。
一方、秋夕になるとソウル市内は人影が少なくなり、明洞など、いつもはたくさんの人で賑わう繁華街も店が閉まりひっそりとします。カフェや飲食店もほとんどが休日に入ります。(秋夕の前夜は大晦日のように百貨店や市場はごった返しします。)このため、明洞など繁華街を目指して旅行する方にはこの期間は拍子抜けになるでしょう。
しかし、この期間だからこそ見ることができる韓国の伝統的な行事や公演があるので、そのような行事や公演は楽しむことができます。
秋夕は他の言葉でハングアィともいいますが、穀物の実りに感謝する古代社会から伝わる風習から来ています。その感謝の対象は神様になります。韓国に儒教が伝わるようになってから、先祖に対する祭祀が加わり、現在まで秋夕として受け継がれています。両国とも同じようなよく似た風習ですが、まったく違った起源というのも、何かおもしろくありませんか。

송편(松餅/ソンピョン)
先祖へのお供えとして、秋の果物や「송편(松餅/ソンピョン)」を準備します。ソンピョンは、うるち米の粉に水を入れ、練り、一口大の大きさにちぎります。ヨモギ、松の甘皮などで色をつけたりもします。そして餅の中に胡麻や栗、豆など様々な‘あん’をつめ、半月型にし、蒸し器で蒸したらできあがり。この蒸し器に松葉を敷いて蒸すため、「松餅(ソンピョン)」というそうです。なるほど! ソンピョンは、その年にとれた新米と穀物で作るのが基本。1年の収穫を祝い、ご先祖様に感謝を込めて墓前や祭祀膳にお供えするのです。
そして、なんといっても楽しいのは、ソンピョンを作りながらのお喋り。全国から親戚中が集まるので、おばあちゃん、お母さん、お嫁さん、子供たちなどなど、総出でこれらの準備にあたります。ああだ、こうだとお喋りをしながらソンピョンを作り、つまみ食いに作りたての柔らかなソンピョンをパクリと頬張る。久しぶりに会う家族達の元気な顔を想像し、にぎやかに作るソンピョンはそれはもう美味しいはずです。
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